MARKETING MAGAZINE

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INTERVIEW

2020.12.17

開学100年へ向け新聞広告が繋ぐ在学生、卒業生と大学との絆

中日新聞 2020年10月25日 朝刊 5段

ーー 第38回全日本大学女子駅伝対校選手権大会「4連覇」おめでとうございます。しかも大会新記録を樹立しての優勝でした。「支えられ、走れる喜び。」という、テーマを明確に打ち出した広告をいただきました。新型コロナウイルスの影響で活動自粛等の影響を受けられた中で、大変なご苦労があったと思います。

矢野 優勝することが絶対条件。絶対王者で優勝が当たり前のようになっている中で選手たちはプレッシャーだったでしょう。コロナ禍の影響で、クラブとしての練習ができない時期もあった中での大会新記録ということで、今までも立派ですが、更に価値の高い優勝だったと思います。聞いた話では、それぞれが自己管理をして黙々と1人で河川敷を走ったり、選手によっては去年よりも多く距離を走ったりしたようです。ストレスを背負いながら練習し、肉体的にも精神的にも苦しい中での優勝でした。

ーー 2019年に「第10回読者が選ぶ中日新聞広告大賞」文化・教養の部の部門賞を受賞されたときもシンプルで力強いという審査員の声がありました。今年は「走れる喜び」ということで、皆さんと共に走っているというメッセージを強く受けました。コロナ禍ということが影響していますか。

矢野 2連覇のゴール、3連覇の胴上げはあくまでも学生が主役です。優勝したときの喜びを純粋に表現しました。今年については大会そのものが応援の自粛もありましたので、今までと同じようなことは難しいかなということで「支えられ、走れる喜び。」というテーマになりました。キャッチコピーの下にある文章も気持ちが込められていて本当にいいですね。2連覇、3連覇のときも「名古屋に名城あり。」と一緒に「たくさんの応援ありがとうございました!」というフレーズを入れています。実はここにも非常にこだわっています。一見、学生が純粋に喜びを表している広告なのですが、この裏には、大きく咲いた花には大きな根っこがある。支えてくれている人たちが大勢いるという気持ちを込めています。それらの人に対する感謝を「たくさんの応援ありがとうございました!」と表現しました。変哲もない言葉ですけど、いいフレーズだと思いながら毎回使っています。

中日新聞 2018年10月30日 朝刊 15段

中日新聞 2019年10月29日 朝刊 15段

ーー 駅伝だけでなく、入試広報や研究、建物の竣工広告等でも新聞広告をご活用いただいています。特に私が印象に残っているのが、昨年ノーベル賞を受賞された吉野彰先生と池上彰先生の対談紙面です。新聞広告を使うときに期待されていることは何でしょうか。また、広告掲載後の学内外からの反響はいかがですか。

矢野 お2人に授業を持ってもらい学生に指導いただいている名城大学にしかできない広告です。この「先を読め。世界を見よ。」はメッセージ性と発信力がある。反響も大きかったです。あと、これを見た卒業生、在学生、関係者がどう思うかです。この広告を見て名城大学のことを誇りに思っていただけると思います。名城大学は2026年に開学100周年を控えています。全国に20万人以上の卒業生を輩出しており、今以上に卒業生と大学との絆、繋がりを深めていきたいと考えていますが、新聞広告は結びつきのツールの一つだと考えています。

中日新聞 2020年4月3日 朝刊 15段

ーー 新聞には新聞にしかできない役割があるということでしょうか。

矢野 SNSやウェブ広告などコストパフォーマンスを考えた上で広告媒体がさまざまある中、なぜ新聞広告を出すのか。最近の新聞広告は、企業の歴史であったりビジョンであったり、企業の構成員を一体化させる広告が多いと見ています。また、新聞広告というのは広い年齢層に訴えられるツールだと感じます。スマホでニュースを見ていると広告がたくさん出てきます。情報発信ツールとしては良いものなのかもしれませんが、感動や感激があまり伝わってこないのは私だけでしょうか。実は先日車を運転していたら、とある会社の窓にこの広告紙面が貼ってありました。感激しました。卒業生の会社だと思うんですけども。やっぱりその人もこの広告に感動・感激して貼ってくれているのだと思います。そういう力が新聞広告にはあると思っています。広告を出すことで名城大学を誇りに思ってもらえる、卒業生と大学を繋げる一つのツールとして新聞広告を使っていけたらと思います。

中日新聞 2019年10月10日 朝刊 5段

ーー 名城大学様にはキャンパスが5か所あります。卒業生が20万人いて、毎年約3,500人の方が卒業されています。一体感を引き出す次のジャンルがあるとすると、期待していることはどのようなことですか。

矢野 期待していることはありますが世阿弥の「秘すれば花」です(笑)。ただ名城大学は真面目な大学で、アカデミアとして、奇をてらうよりは、スポーツはスポーツ、研究は研究、教育は教育と地道に真面目に取り組み、その結果が社会にアピールできるようなものに育てばいい。きちんとやった結果で花開くことが理想だと思っています。

ーー 本日はありがとうございました。