MARKETING MAGAZINE

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INTERVIEW

2022.08.19

新たな100年に向けてブランド価値を向上

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ーー 貴社は2020年12月に100周年を迎えられました。まずは100周年を迎えての思いをお聞かせください。

米谷 当社は、創業者の北野隆春が個人商店として設立した北野商会に端を発し、自動車用ランプを中心に事業を拡大してきました。高度経済成長期のマイカーの普及で事業を伸ばし、現在は自動車用ランプ市場で世界4位のシェアを占めています。ただ、BtoBビジネスが主であるため、スタンレーブランドの一般的な知名度は決して高くありません。創業から100年を超えた今こそ、当社のことをより多くの方に認知いただけるよう、「ブランド価値の向上」という新しいテーマに取り組んでいます。

ーー 100周年から1年半、新しいトピックとして、ブランド統一と新しい分野の製品開発に取り組まれ、これに関連して広告出稿をいただきました。まずはブランド統一についてご紹介ください。

米谷 当社は長い間「RAYBRIG(レイブリック)」のブランド名で自動車用の市販用品を販売してきました。おかげさまでRAYBRIGは多くのユーザー様にご愛顧いただきましたが、近年は車が電子制御化されて個人レベルでのカスタマイズが難しくなってきた等の環境変化もあり、カー用品に対するニーズは少なくなっています。そこで、社名と同じ「スタンレー」のブランドに一本化することで、これまでの知見を結集させ、市販用品の事業もグローバルで展開することになったという経緯があります。社名がブランドになったことで対外的なブランド価値を高めるとともに、社内的にも従業員のモチベーションアップにつながっています。

東京中日スポーツ 2021年11月5日 ブランドを「STANLEY」へ統一したことを周知する広告。
マシンカラーが従来の青基調からシルバー&オレンジへ変更された。

ーー 東京中日スポーツはモータースポーツの報道に力を入れているということもあり、ブランド統一に際して、広告という形でご協力できたことを嬉しく思います。貴社はRAYBRIGブランドでスーパーGTのチームクニミツをスポンサードされていました。ブランド統一に伴うマシンのカラー変更についても広告での周知を図りましたが、ファンの反響はいかがでしたか。

米谷 青基調だったRAYBRIGカラーから、シルバーベースにオレンジを配したスタンレーカラーへ変更しましたが、おかげさまでご好評をいただいています。RAYBRIGカラーは多くのファンに愛されていましたので、当社としてもデザインの変更には非常に気を使いました。それだけに、ニューデザインがファンの皆様に受け入れてもらえてホッとしています。

STANLEYブランドの自動車市販用品 ブランド変更にあわせてパッケージを一新した製品を発売中

ーー チームクニミツの監督でかつてはレーサーとしても活躍された高橋国光さんが今年3月に急逝されました。これを受けて、国光さんのヘルメットのデザインをマシンに追加されましたね。

米谷 今期はチームとして「国さんとともに戦う」という強い思いから、急きょ追加しました。また、このタイミングで「アリガトウ クニサン」という広告を出稿させていただき、チームの士気向上にも繋がっています。今期のスーパーGTは、前半戦を終えた現在、チーム・ドライバーランキングともに3位ですが、まだまだシリーズチャンピオン獲得のチャンスはあります。チーム一丸となってシリーズチャンピオンを獲得し、国光さんに良い報告ができるよう取り組んでいきます。

東京中日スポーツ 2022年5月27日 2022年3月に急逝した高橋国光さん愛用のヘルメットを、マシンのデザインに追加。
ファンからも好評を得た。

ーー もうひとつのトピック、新しい分野の製品開発は、紫外光を活用した除菌とお聞きしています。こちらに取り組まれた経緯についてご紹介ください。

米谷 当社は創業以来、「光」にこだわって事業を展開してきました。当社のグループビジョンでは「光に勝つ」というスピリットを掲げています。これまでは主に、目に見える「可視光」を扱ってきたのですが、近年では次の100年を見据えて、目に見えない「非可視光」に注目し開発を進めてきました。その成果の1つが、除菌効果の高い265nm波長の紫外線等を使用した「AℓNUV(アルヌーヴ)」ブランドの商品です。未だ新型コロナウイルスの影響が続いていますので、当社は紫外線を用いた独自の商品によって衛生上のリスクを低減することで、安全安心な社会の実現に貢献したいと考えています。

東京中日スポーツ 2021年11月26日 空気除菌脱臭機「AℓNUV(アルヌーヴ)」の広告。チームクニミツ限定モデルも販売された。
AℓNUV製品のラインナップ(空気・表面の除菌) 新型コロナウイルス感染症の影響により、
社会全体で除菌に対するニーズが高まったため、独自の紫外線技術を用いて開発。

ーー 光の可能性を感じますね。今後の展望についてはどのようにお考えですか。

米谷 光について100年間取り組んできた知見は、当社の大きな財産です。非可視光はセンシングに応用して自動運転制御に活かすことができます。また、除菌ビジネスを含め健康や美容といった分野に対する商品開発も進めています。マイカーニーズが減っていく中でも、光というテーマで世の中に新しい価値を提供していきたいと考えています。

ーー 最後に、新聞や新聞広告に対するご意見や期待などありましたらお聞かせください。

米谷 しっかり掘り下げた内容の記事を出せるのが、紙のメディアを持った新聞社の強みだと思います。一方で、デジタルには記事をアーカイブ化できるというメリットがあるので、例えば過去の記事からスーパーGTに関する記事を1年分取り出せる、といった機能があれば、利用したい読者がいるのではないでしょうか。

ーー 参考にさせていただきます。光をテーマにした新しいイノベーションがありましたら、ぜひ取材させてください。本日はありがとうございました。