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大河ドラマ「どうする家康」放映で注目を集める愛知・静岡———————
愛知・静岡の両県で約1千億円以上の経済波及効果

2023.08.31

【家康公ゆかりの地 愛知・静岡】

 大河ドラマ「どうする家康」放映により、家康公ゆかりの各地では大河ドラマ館が設置され、多くの人々が訪れ賑わいをみせている。愛知県岡崎市は「生誕の地・三河平定」、静岡県浜松市は「出世の街」、静岡県静岡市は「幼少期・五カ国統治時代・大御所時代」の舞台となっている。また、行政区域を越えて地域の魅力をつなげる広域連携プロジェクト「三河・遠州・家康街道」も実施され、鉄道や自家用車によるアプローチの良さを活かした「家康公苦難と躍進の半生」を巡る周遊コースやツアー商品が提案されている。

【観光消費行動からみる愛知県・静岡県の特性】

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、日本人国内旅行の消費額(全国値)は、2019年比で日帰り旅行、宿泊旅行ともに大幅に減少したが、2022年は回復基調にある。

 また、調査手法や調査時期の違いに留意を必要とするが、愛知県・静岡県におけるコロナ禍前の1人当たり旅行支出は静岡県が愛知県を上回っている。特に県内客(宿泊旅行)、県外客(日帰り旅行)の差が大きく、各県の特徴が表れていると言えよう。

【大河ドラマの放映等に伴う愛知・静岡への経済波及効果】

 名古屋観光コンベンションビューローと三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる共同研究の推計方法を参考に、静岡県内への経済波及効果を独自に試算した。その結果、2023年の1年間で静岡県内には約835億円の経済波及効果が見込まれ、前出の共同研究の試算結果と合算すると、愛知・静岡の両県への経済波及効果は約1千億円以上に達すると想定される。

 大河ドラマの放映は当地を知るきっかけの1つに過ぎないが、地域の資源、歴史、文化、人とのふれあいを通じて当地のファンの増加を期待したい。また、東海地域にお住まいの方にも、世代を越えて地元に対する興味や関心が高まることを願う。

右近 崇

うこん たかし

三菱UFJリサーチ&コンサルティング

政策研究事業本部 研究開発第1部(名古屋)

主任研究員

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