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愛知県田原市が農業産出額5年連続1位————

東海エリアは市町村別上位10位に3市が入る農業王国

2020.06.24

田原市のキャベツ畑(提供:田原市)

【市町村別上位に東海エリアの3市】

 東海エリアは製造業が盛んなものづくり地域として知られるが、実は、農業も盛んな地域である。平成30年の都道府県別農業産出額を見ると、愛知県は全国8位、静岡県においては同16位と上位に位置している。なかでも愛知県田原市、豊橋市、静岡県浜松市と愛知県東部から静岡県西部において隣接するこの3市のエリアは、全国で有数の農業地帯となっている。今年3月に発表された平成30年の市町村別農業産出額(推計)では、田原市が全国1位、浜松市が7位、豊橋市が10位と、上位10位までにこれらの3市がランクインしている。特に田原市は、平成26年から5年連続で日本一となっている点は特筆される。
 この3市に共通するのは、温暖な気候のもと、豊川用水などの水利環境が整っていることにより大規模な生産基盤が整備されていることや、生産力を高めるための工夫や新品種への取り組みなど様々な活動の積み重ねにより、全国的にも有数の農業先進地となっていることである。また、東京と名阪の中間に位置し、名古屋大都市圏をはじめ、首都圏、関西圏の大都市マーケットへの供給が可能であることも農業が盛んな大きな要素となっている。

【野菜、花き栽培が盛んな3市】

 農業の部門別に見ると、3市ともに、露地栽培、施設園芸、畜産と農業の種別は多様である。田原市では、キャベツ、ブロッコリー、レタスなどの野菜と花き栽培が盛んであり、野菜部門では全国2位、花き部門では2位以下を大きく引き離しての突出した1位となっている。豊橋市も野菜では全国で5位となっており、キャベツ、はくさい、トマトなどが盛んである。浜松市は、三ヶ日みかんをはじめとする果実や野菜、花きが盛んであり、果実部門では全国3位、花き部門では2位となっている。
 また、田原市では、農業日本一のブランド力が観光にも活用されており、農業や園芸体験や農場で仕入れた食材を有名シェフがバス内で調理して提供する「東三河レストランバス」が昨年(田原市)と今年(東三河全域)、2年続けて運行された。新鮮な食材とともに、新しい体験観光のプログラムが受け、1コース1万円前後する日帰り旅行商品であったが、幅広い層に人気を呼んだ。まさに農業日本一のブランド力が観光の価値も生んだとも言えよう。

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