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INTERVIEW

お客さま、パティシエ、スタッフが一つに 感謝の気持ちとワクワクを紙面から発信

2023.04.30

ーー この温かく、嬉しくなる広告には社内外から大きな反響がありました。ジェイアール名古屋タカシマヤさまの「アムール・デュ・ショコラ」(以下アムール)は23回目。過去最高の売り上げを記録したとうかがっています。

前田 34億円を超える売り上げでございまして、過去最高を記録しました。これもお客さまのおかげです。感謝の気持ちを伝えたくて、こういう広告になりました。

ーー 同じコロナ禍でも昨年と違った点はありましたか。

前田 一番大きく違ったのは行動制限が少し緩和されたことです。昨年、一昨年は入場制限を行っていましたが、3年ぶりに入場制限を撤廃して自由に入っていただけました。朝だけチケット制で、それ以外はフリー。本当にたくさんのお客さま、70万人を超えるお客さまに来ていただきました。

ーー 70万人!すごいですね。

前田 1、2月の寒い中、始発で来ていただいたお客さまも多く、申し訳ないくらいでした。この感謝の気持ちを伝えるため、こういう広告を出そうということになりました。

ーー 始める前、70万人という数を予想されていたのですか。

前田 いや。想定よりもかなり多くのお客さまに来ていただける結果になりました。

ーー 予想以上にたくさんのお客さまがいらっしゃったことで、対策はどのように?

前田 人気のブランドは混雑しますので、整理券の発行などさまざまな対策を行いました。お客さまにはツイッターとホームページでお知らせしましたが、毎日のように入場の仕方が変わり、不便をおかけしたと思います。

ーー それも改善のためですね。

前田 そうですね。お客さまのご意見も聞きながら。「アムール」はお客さまと一緒に作っていく、広告のメッセージにも書かせていただきましたが、お客さまとパティシエ、そしてスタッフみんなで作り上げているところが、他の催事には無いところです。

今年の「アムール・デュ・ショコラ」は70万人を超える来場があり、売上は過去最高を記録した。

ーー 前田部長はこの催事に関わられて今回で何回目ですか。

前田 2016年からやっていますので7回目になります。

ーー 今年は過去と比べ、何か特徴的なことはありましたか。

前田 かなりお客さまが詳しくなられたというか、私たちが教えていただくことが増えました。お客さまはどのブランドの何がおいしいか、この商品にはどんな特徴があるかなどかなり細かいところまでご存知です。そこで今年の「アムールアワード」を売上ランキングだけではなく、お客さまの“推し”投票と売上ランキングから順位を決定する方法に変更しました。自分が応援したいものを共有できる、お客さまに推薦してもらったブランドということですね。これをホームページや会場掲示板に掲載しました。

ーー 「アムール」は全国の髙島屋さんで行われていますが、名古屋地区の特徴はありますか。

前田 やはりお客さまとの結び付きが強いと申しますか、他の地域でもパティシエの方が来られることはありますが名古屋ほど多くはない。名古屋はパティシエとお客さま、スタッフの一体感が強いです。それと、名古屋ではお客さま同士で「アムール」のファンクラブのようなものができていまして情報交換をされています。多分、他の「アムール」では無い、もちろん他の百貨店でも無いことだと思います。

ーー 大事な催しに参加するという感じですね。

前田 そう。参加している。販売の催事、イベントではなく、一緒に作って参加してっていう雰囲気だと感じます。今年はECが上がるかと予想していましたが、意外にも店頭の方が多く来ていただきました。お客さま同士のコミュニケーションもあり、単に買いに来るだけではない、体験を買っていただいている部分も大きいと思います。中には地図を付けて、こちらから入場したら早いとか、こう回ればいいとか情報発信されている方もいらっしゃる。そういう意味でも、みんなで作っている感じがします。

ーー 色々な思いを共有し、語り合う定番イベントですね。そうなるにはどうしたらいいのか色々な企業の方が苦労されている。立派なモデルケースです。そんな中、新聞広告をご出稿いただきました。この企画を作るにあたって、どのような視点があったのですか。

前田 最初はパティシエの方だけを入れていました。コピーを考えながら、やはりスタッフも入れて感謝の気持ちを表現したいとなりました。それと、ECで購入してくださったお客さまに向けて、感謝の気持ちを伝えられるものを作りたいとの思いもありました。

ーー いくつか案が出されたのですか。

前田 これは3回目に出たもので、昨年を踏襲した案もありました。パティシエの方とスタッフが並んでいる写真です。その中からこれに決まりました。

中日新聞 2023年2月14日朝刊 15段カラー
パティシエとスタッフが感謝の気持ちを伝える広告

ーー 御社内の反響はいかがでしたか。

前田 百貨店の広告というのは従来、展覧会や物産展など、こういうものを企画したので来てください、という新聞広告が多かったと思います。今回は来てください、というよりは「ありがとうございました」というメッセージを伝えたかった。そこはお客さまも、いつもと違うなと感じていただけたのではないかと思います。

ーー ツイッターで広告の写真を撮影してアップしているのも見かけました。

前田 撮影されることを踏まえてビジュアルは考えました。

ーー このハートの大きさは新聞ではなかなか見ません(笑)。2023年、具体的に期待されているイベントはありますか。

前田 ユーチューバー東海オンエアさんの展覧会「東海オンエアミュージアム」(3月29日〜4月10日)を行います。東海オンエアさんはZ世代に人気です。百貨店は年齢層が高くなりがちですので、色々なターゲットに向け、ワクワクドキドキするイベントを今後開催していきたいと考えているところです。

ーー 弊社に対し、期待してくださっているところ、あるいはこうしたらもっと良くなるのではということがあれば教えていただけますか。

前田 色々なメディアの中で、新聞社さんの強みは信頼であると考えています。百貨店も同じで、やはり信頼が非常に大事です。新聞社さんにこういった広告を掲載いただき、お客さまと信頼関係が構築できるよう今後もご協力をいただければと思います。

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