MARKETING MAGAZINE

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INTERVIEW

2022.02.24

発祥の地をアピールする戦略で認知度を大幅アップ

ーー 2021年5月に、貴社が名古屋発祥だということを周知する広告のお話をいただき、マスコットキャラクター「いかなキャット」とコラボする形で、中日ドラゴンズのマスコットキャラクター「ドアラ」を起用していただきました。その節はありがとうございました。

松島 太陽生命は、明治26(1893)年5月に名古屋生命として創立し、2023年で130周年を迎えます。発祥が名古屋なので東海エリアはもともとお客様も多いのですが、若年層への認知度はあまり高くなく、もっと知っていただくにはどうすればいいのか中日新聞さんに相談したところ、いかなキャットがドアラに手紙を出して相談するという内容のご提案をいただきました。その結果、生まれたのが「じつは名古屋生まれ」という広告です。

ーー 若年層への認知度があまり高くないというお話がありましたが、これは以前からそうだったのでしょうか。

松島 はい。当社はもともと訪問営業でご契約いただくビジネスモデルだったため、在宅時間が多い主婦や高齢者のお客様が多く、女性比率が約7割、60歳以上の高齢者比率が約6割となっています。そういうなかで、若い世代の皆さんにも太陽生命という名前を覚えていただきたいというのが、課題としてあったんです。

ーー 東海エリアでは地元発祥の企業に親しみを感じる傾向が強いので、地元感を打ち出したほうがインパクトのある広告になるとの判断で、「じつは名古屋生まれ」というご提案をさせていただきました。

松島 正直、私は太陽生命という社名を全面に押し出したキャッチコピーがいいと思っていたのですが……(笑)、いまでは的確なご提案をいただいたと思っています。

マスコットキャラクターの「いかなキャット」のフィギュアを手にする松島さん。公式インスタグラムの動画に出演したり、ゆるキャラグランプリ2020に出場したりと、広報活動で活躍中。

ーー 反響や認知度に対する効果はいかがでしたか。

松島 おかげさまで多くの反響がありました。東海エリアの認知度は、2020年には62.2%でしたが、広告開始以降の調査では69.7%にアップしました。ひとつの広告を経て7%も認知度が上がるというのはなかなかないことなので、大変な広告効果だったと思います。また、社内的にも名古屋支店や東海エリアの支店でモチベーションが上がったようで、広告掲載時に業績が全国トップになりました。ウェブや名古屋駅のサイネージなど、他メディアの横展開もご提案いただいたことでSNSでも反響があり、課題だった若年層への認知度もアップしています。ドアラの人気の高さにも改めて驚きました。

ーー 2021年11月から2022年1月にかけては、いかなキャットが愛知県内を旅して各地の魅力を紹介する4回のシリーズ企画「いかなキャットが見つけた愛知の魅力プレゼントキャンペーン」を掲載しました。こちらの効果はいかがでしたか。

松島 シリーズで各地を旅するという内容も中日新聞さんのアイデアですし、行く場所も当社ではピックアップできないような素敵なスポットを選んでいただき、広告を出稿した私たちも楽しませていただきました。当初は5段広告では小さいのではないかという懸念もありましたが、シリーズ広告ということもあって、全面広告に負けないような、読者の印象に残る広告になったと思っています。地域に密着したこういう企画は、まさに地元紙ならではですね。

中日新聞 2021年11月30日朝刊 5段
太陽生命のマスコットキャラクター「いかなキャット」が愛知県内のスポットを旅するシリーズ企画「いかなキャットが見つけた愛知の魅力プレゼントキャンペーン」。名古屋編、三河編、尾張編、名古屋編の4回シリーズでご当地グルメのプレゼント企画も実施

中日新聞 2021年12月20日朝刊 5段
中日新聞 2022年1月13日朝刊 5段
中日新聞 2022年1月13日朝刊 5段

ーー 先ほど、女性のお客様が多いというお話もありましたが、貴社ではラグビー女子やアイスホッケー女子の日本代表チーム、女子プロゴルファーのテレサ・ルー選手といった女性アスリートのサポートを積極的に行っていらっしゃいます。取り組みについてお聞かせください。

松島 もともと青少年の育成や輝く女性を応援したいという考えがあり、2011年に中学生ラグビーの協賛をスタートさせました。当時、高校ラグビーや小学生向けのタグラグビーは全国大会がありましたが、中学生の全国大会がなかったため、当社が特別協賛する形で「太陽生命カップ」を創設したのが始まりです。2013年には、ラグビー女子日本代表とアイスホッケー女子日本代表のサポートを開始したほか、テレサ・ルー選手とも所属契約を締結しました。

ーー 貴社がサポートしている選手やチームは飛躍的に結果を残されている印象です。

松島 アイスホッケー女子もラグビー女子も、スポンサードがない頃はなかなか国際大会の出場権を得られませんでしたが、当社でサポートを開始してから、オリンピックやワールドカップに安定的に出場できるようになりました。また、テレサ・ルー選手も、所属契約直後からツアーで勝てるようになり、賞金ランキング上位に入るようになりました。これは、協賛がついたことで、競技に集中して打ち込める環境が整ったからだと思います。今後もがんばっている選手やチームと息の長い関係を築いていきたいと考えています。

女性が輝くスポーツをサポート。本社にはユニフォームや記念品を展示するコーナーが設置されている。

ーー 息の長い関係を築いてサポートするという点では、社業である保険とも通じるところがありますね。最後に、新聞広告、もしくは当社に対するご意見や期待などありましたらお聞かせください。

松島 今回の一連の広告を通じて、新聞に出稿して終わりではなく、ウェブやSNSもうまく活用していただき、また、テレビやラジオなど、地元の中日新聞さんならではのネットワークも活用させていただいたおかげで、予想以上の効果が上がったと思っています。当社は2023年に130周年を迎えるので、ぜひまたご協力いただきたいと期待しています。

ーー こちらこそ、引き続きさまざまなご提案をさせていただければと思います。本日はありがとうございます。