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2022.07.08
温泉利用宿泊施設数は全国トップ、温泉天国の静岡県
愛知に伊良湖温泉誕生東海エリアの温泉観光の活性に期待
【今年4月、伊良湖温泉誕生】
今年4月、愛知県渥美半島(田原市)先端の景勝地・伊良湖岬周辺に伊良湖温泉が誕生した。愛知県内においては、都市近郊型の温泉施設は各地で誕生しているが、いわゆる観光地における温泉ブランドの誕生は、少なくともこの20年ではなかったと思われる。伊良湖岬に昇る朝日、沈む夕日の時間帯“マジックアワー”をキャッチフレーズに、その美しい景観とともに温泉で癒してもらおうという魅力を打ち出している。
温泉は、行きたい観光の要素としては常に人気トップ(当社調べ)であり、日本人にとっての温泉の存在は旅行には欠かせない要素となっている。この2年はコロナで各地ともに観光客誘致に苦戦したが、新たな温泉開発を引き金とする観光地活性化に期待される。
【静岡県の温泉利用宿泊施設数は全国トップ】
4月に環境省から発表された全国の温泉利用状況(令和2年度)によれば、静岡県の温泉利用の宿泊施設数は2,102か所となっており、全国トップを誇る。しかも、全国2位は長野県の995か所であり、静岡県は圧倒的な数の温泉利用宿泊施設が存在する温泉天国である。
東海エリアには、静岡県以外にも岐阜県の奥飛騨温泉、下呂温泉や、三重県の鳥羽温泉郷や、志摩市の温泉、愛知県では蒲郡温泉郷や湯谷温泉など、各地で人気の温泉地が存在する。東海エリア全体では、温泉地数が280、源泉総数は3,060、温泉利用宿泊施設数は2,792か所となっており、年間の延宿泊利用者数は、約1,126万人を数える。
【入湯税収入額では熱海が全国2位】
全国市町村の入湯税収入額を見ても、上位20位に、静岡県が2市(熱海市、伊東市)、岐阜県が2市(高山市、下呂市)、三重県が1市(鳥羽市)入っており、全国でも有数の温泉地が東海エリアに存在していることがわかる。特に、熱海市は全国2位、伊東市は4位と、こちらも静岡県の市が上位に位置している。いずれの地域も前年度と比較するとコロナの影響で大幅に減少しているものの入湯税収入額は熱海市では2億円を超えており、貴重な税収源となっている。入湯税は、市町村によって使用目途が異なるが、主には、環境衛生施設の整備、鉱泉源の保護管理、観光振興等に活用されており、入湯税の活用によってさらなる温泉地の活性化に繋がっている。