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ウィズコロナ時代の東海エリアの旅行意識[夏編]——————— これからの旅行行動はワクチン接種有無に関わらず慎重な傾向

2021.10.12

【旅行は、密を避け、安全・安心なところへ】

 新型コロナウイルス(以下コロナ)感染は依然収束しておらず、東海地方においても4県ともに緊急事態宣言が延長されるなど予断を許さない状況が続いていた。外出自粛、県境越えの移動自粛等により市民の旅行行動は抑制されており、その間も観光客、受入側ともにコロナを意識したウィズコロナ時代の旅行スタイルへと変化している。当社では、東海エリアに暮らす人々の旅行に対する意識の変化を把握するため、昨年12月に続き、この8月にインターネットアンケート(東海エリア市民2,400サンプル)を実施し、集計分析した。
 ウィズコロナ時代における旅行に対する意識や行動の変化について「あてはまる」と回答した人は、「多くの人でにぎわう観光地や混雑しているところを避ける」(71.2%)が最も多く、次いで「安全・安心できるところへ行く」(49.0%)、「公共交通よりも自動車、自転車で移動」(48.3%)が半数近くとなっており、密を避け、安全・安心なところ、また、自動車での行動率が高い東海エリアにおいては、自動車で行くといった意識も高いことがわかった。前回調査ともほぼ同じ傾向、比率であるが、「安全・安心なところ」が3番目から2番目となっている点に変化があり、より安全・安心を求める傾向が強まっている。
 また、旅行訪問先選択で重視することについては、「訪問先のコロナの感染状況」(76.7%)が最も多く、次いで「混雑、密を避けられる」(75.5%)、「コロナ対策がされており安全・安心できる」(72.9%)と、この3点を重視する割合が7割を超えている。「とても重視する」で最も多かったのは「訪問先のコロナの感染状況」の42.9%であり、「お住まいの地域のコロナの感染状況」の31.8%よりも高く、居住地よりも訪問先の感染状況をより重視することがわかった。前回調査との比較においては、各項目ともに「重視する」率が減少し、「重視しない」率が増加している点があげられる。これは、コロナ感染拡大から約1年半を経過し、警戒感がやや緩んでいるものと推察される。

【ワクチン接種の有無による旅行の意向】

 旅行形態別に旅行についての実施意向時期を聞いたところ、「すぐにでも行きたい」という回答が多かったのは「近場の知っているところへの日帰り旅行」(26.9%)、「近場でまだ行ったことのない、知らないところへの日帰り旅行」(25.6%)と、いわゆるマイクロツーリズムと呼ばれる近場観光へのニーズが依然高いことがわかった。
 一方、ワクチン接種(2回)の有無による旅行への意向について聞いたところ、「ワクチン接種を終えていないし、旅行は控える」人が最も多く41.9%、「ワクチン接種を終えたが、旅行は控える」人が16.4%と、ワクチン接種の有無に関係なく旅行を控える人の合計は58.3%であった。一方、「ワクチン接種を終えており、旅行をする・したい」人は、わずかに7.0%、ワクチン接種を終えている人全体のなかでも、30.0%にとどまった。本調査は8月時点であり、その後、ワクチン接種率は高まっているものの、基本的にはワクチン接種の有無に関わらず旅行にはまだ慎重な姿勢の人が多いことがわかった。

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