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2021.04.13

ウィズコロナ時代の東海エリアの旅行意識の変化
近場観光ニーズと東海エリア各地への高い関心度

【コロナ後、旅行への意識は7割以上が変化】

 昨年3月以降の新型コロナウイルス(以下コロナ)の感染拡大により、外出自粛、県境越えの移動自粛等により市民の旅行行動は抑制された。その後、感染拡大は第2波、第3波と続き、旅行者、受入側ともにコロナ対策を意識した新しい旅行のスタイルへと変化が見られた。当社では、新型コロナウイルスの感染拡大によって東海エリアに暮らす人々の旅行に対する意識の変化を把握するため、昨年12月にインターネットアンケート(東海エリア市民2,400サンプル)を実施し、集計分析した。
 まず、コロナ感染拡大後(昨年3月以降)における旅行の意識変化について聞いたところ、「大きく変化した」が37.4%、「やや変化した」が34.5%となっており、これらを合わせた「変化した」と回答した合計は71.9%と7割を超えている。ウィズコロナ時代における旅行に対する意識や行動の変化については「とてもあてはまる」と「ややあてはまる」を足した「あてはまる」の合計では、「多くの人でにぎわう観光地や混雑しているところを避ける」(74.3%)が最も多く、次いで「公共交通よりも自動車、自転車で移動」(53.7%)、「安全・安心できるところへ行く」(51.6%)が過半数を超えており、密を避け、自動車・自転車で、安全・安心なところへ行くといった意識が高まっていることがわかった。
 また、旅行訪問先選択で重視することについては、「混雑、密を避けられる」(80.1%)が最も多く、次いで「訪問先のコロナの感染状況」(79.7%)、「コロナ対策がされており安全・安心できる」(78.0%)と、この3点を重視する割合が約8割と高くなっていることがわかった。

【すぐに行きたい近場観光、東海エリア各地への訪問意向】

 旅行形態別に旅行についての実施意向時期を聞いたところ、「すぐにでも行きたい」という回答が多かったのは「近場の知っているところへの日帰り旅行」(25.6%)、「近場でまだ行ったことのない、知らないところへの日帰り旅行」(24.6%)と、いわゆるマイクロツーリズムと呼ばれる近場観光へのニーズが高いことがわかった。また、ウィズコロナ時代に行きたい旅行のタイプについて聞いたところ、「是非行きたい」とする強い意向については、「温泉旅行」が33.8%と最も多い結果となった。また、「のんびりと1地域で過ごす長期滞在型旅行」、「密を避けた自然のなかで癒し・リラックスを目的とする旅行」、「まち歩き観光」は、「是非行きたい」と「行きたい」の合計が50%を超えており、これらもコロナ後の旅行トレンドとして注目される。
さらに、地域別で行きたいところについて東海エリアの地域別に聞いたところ、国内でも有数の人気観光地である伊勢志摩や伊豆半島、飛騨地方への訪問意向が高いものの、愛知県内各地などもこれらの人気観光地に決して大きな隔たりがあるわけではなく、一定の訪問意向率を獲得している。これらの結果を見ても、マイクロツーリズムの可能性は当面続くであろうことが予想される。