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岐阜県の道の駅数は全国で2位 ———————地域の観光拠点として、道の駅は目的地化へ

2021.08.19

今年5月に開業した「道の駅したら」

【全国の道の駅は、1,193駅へ】

 国土交通省が登録する「道の駅」は、今年6月の第55回登録で、合計1,193駅(今回登録された今後開業する6駅含む)となった。道の駅は、1993年の制度創設(第1回登録は103駅)以来、四半世紀を経過しており、同省では2020年からを第3ステージ「地方創生・観光を加速する拠点」として位置付けている。
 実際、ここ数年、各地に誕生する道の駅は、いずれも様々な特徴ある機能が充実していることからも人気を呼んでいる。地域における商業・レジャー拠点としてのみならず、広域からの観光拠点となっており、休憩の立寄り的な位置づけから、観光の目的地化している。
 道の駅の主な登録要件は、①無料で24時間利用可(十分な駐車場、清潔なトイレ、子育て応援施設)、②道路及び地域情報提供施設の設置、③文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設の設置、④主要経路のバリアフリー化などであるが、最近は、特に③の施設の充実が観光の目的地化へと導いている。
 都道府県別の道の駅数を見ると、1位は北海道の129駅、2位は岐阜県の56駅となっており、岐阜県は過去10数年にわたって、全国2位の道の駅数を維持している。上位に位置する北海道、岐阜県、長野県、新潟県、岩手県などは、面積が広いということもあるが、いずれも観光が盛んな地域であり、ドライブ観光を主とする地域特性も表れている。

【東海エリアの道の駅】

 東海エリアの道の駅は、岐阜県が56駅、静岡県が25駅、愛知県、三重県がそれぞれ18駅と、合計で117駅であり、全国の約1割を占める。この4年間では、5つの道の駅が誕生しており、直近では愛知県設楽町に「道の駅したら」が開業したのが話題だ。コロナ禍における開業となったが、開業当初から多くの人が訪れている。
 「道の駅したら」は、愛知県と岐阜県の県境に向かう国道257号沿いに位置し、周辺の美しい森林に囲まれた山里地域にある。施設は、食堂と物販店のほか、地域振興施設として「奥三河郷土館」がある。郷土館は旧郷土館を新築移転したもので、奥三河地方ならではの地域文化を伝える展示がされている。森林地域らしく、ヒノキを使った建築が美しく、国道からも目を惹く。また、廃線になった電車の車両が展示されたり、日本酒造りを体験できる施設も併設されるなど、設楽町ならではの特徴が見られる。
 愛知県では、2019年5月開業の「道の駅とよはし」以来であるが、同施設も、既設の農産物市場との併設効果もあり、2年経過した今も人気を維持している。同駅を拠点としたサイクリングや電動バギー(ネクストクルーザー)を使った自然体験ツアーなども行われており、観光目的地かつ観光拠点としても機能しはじめている。
 創設四半世紀を経た道の駅は、観光拠点として、また防災拠点としても注目されており、今後さらに進化していく可能性はある。

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