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人口に占める外国人割合の高い東海エリア——————— 外国人人口、外国人割合で愛知県は全国2位

2022.04.13

     

【大幅に伸びた外国人人口】

 昨年11月に発表された令和2年国勢調査によれば、全国の外国人数は前回調査の平成27年調査と比べて43.6%増の約274万7千人で、過去最多となった。日本人人口が約178万3千人減少(1.4%減)したのに対して、外国人人口は約83万5千人増加している。この外国人の伸び率は、過去の国勢調査と比較しても高くなっている。

 国籍・地域別では、中国が最も多く、次いで韓国・朝鮮、ベトナムの順になっており、特にベトナムは前回調査から約23万4千人増加しており、中国の増加約15万6千人を上回るなど伸びが目立つ。国籍別の割合を見ても、ベトナムは前回調査の5.0%から13.4%と大幅に増加している。ベトナムは、特に、技能実習生や就労のための一定期間在留者が多く、これらの人が増加の要因となっている。

【東海4県の人口動向】

 東海4県の人口動向を見ると、人口総数では、前回調査の約1,503万1千人から約1,492万5千人と約10万6千人減少した。県別では、愛知県のみ増加しているが、岐阜県、三重県、静岡県は減少している。日本人人口も同様に、愛知県のみ増加し、他3県は減少している。一方、外国人については、4県ともに増加しており、4県総数で約45万7千人となっている。    

 ただし、2021年発表の国勢調査(調査時点は、2020年10月)であり、その後のコロナの状況により、主に製造業においては生産減や宿泊や飲食などのサービス業においても外国人労働者の減少が見られており、令和2年国勢調査以降の直近の傾向としては、これらを留意する必要がある。

【外国人割合の高い東海4県】

 東海4県は、各県ともに、総人口に占める外国人割合が高く、愛知県は3.44%で東京都に次いで全国2位、岐阜県は2.73%で同6位、三重県は2.91%で同4位、静岡県は2.54%で同8位と、47都道府県の外国人割合では上位10位までに4県とも入っている。これは、東海エリアの強みでもあるものづくり産業が盛んであることから、これらの労働者人口が大きく寄与しているものと思われる。

 国籍別を見てみると、全国が中国、韓国・朝鮮、ベトナムの順であるのに対し、愛知県では、ブラジル、中国、ベトナム、岐阜県では、フィリピン、ブラジル、中国、三重県では、ブラジル、ベトナム、中国、静岡県ではブラジル、フィリピン、ベトナムの順になっている。いずれもブラジルがトップもしくは2番目の国籍に位置づけられている点、また、フィリピンが上位に入っている点が特徴となっている。

【写真/キャプション】

※グラフ、表は三点とも以下出典先

出典:令和2年国勢調査(総務省)を基に三菱UFJリサーチ&コンサルティング作成

田中 三文(たなか みつふみ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱
政策研究事業本部
上席主任研究員

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