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ぎょうざ消費日本一に浜松市が返り咲き———————家計調査に見る東海エリアの食生活の特徴

2021.06.14

日本一の座に返り咲いた浜松餃子【写真提供:浜松餃子学会】

【浜松市が「ぎょうざ日本一」の座を奪還】

 毎年ニュースを賑わせているぎょうざ消費量日本一の座。総務省の家計調査(1世帯2人以上)の結果によれば、2020年は静岡県浜松市が3,765円(1年間の世帯当たり支出金額)と栃木県宇都宮市を71円差で抑え、2年振りに首位に返り咲いた。両市はぎょうざのまちが地域ブランドにもなっており、熾烈な日本一争いを毎年繰り広げてきた。過去10年間においては、浜松市が7回、宇都宮市が3回と、回数では浜松市に軍配は上がっている。しかし、毎年、僅差の争いとなっており、両市ともに名実ともに日本一であるとも言える。2020年には、宮崎県宮崎市もこの争いに加わっており、上半期の集計では一旦首位に躍り出たことからも、今後は宮崎市も加えた3市の争いに注目される。
 毎年発表されるこの家計調査においては、地域における特徴が見られ興味深い傾向が見られる。特に食料品においては、各地の生活における食の位置づけや、食文化、地域特性や食産業の特性が表れている。
 浜松のぎょうざのみならず、横浜のしゅうまい、高松の日本そば・うどん、広島のかき(貝)、長野のりんご、鳥取のなし、高知のかつお、長崎のカステラなど、その食料品名で浮かぶイメージの都市が、圧倒的に1世帯あたりの消費額(支出金額)が高い傾向が表れている。

【東海各地の食生活の特徴】

 ぎょうざ以外にも、東海エリア各都市においても地域らしさを示す特徴的な傾向も見られる。全国平均に比べて2倍近くの支出金額を示し、地域特性を表すものがいくつか見られる。主だったものをあげると、外食分野では和食で岐阜市が1位、中華食では岐阜市が1位、静岡市が2位、喫茶代では岐阜市が1位、名古屋市が4位となっており、モーニングサービスなど喫茶店文化が浸透している地域らしい結果となっている。
 その他、浜名湖のうなぎが全国的にも知られる浜松市がうなぎのかば焼きで1位であるほか、ご当地グルメとしてうなぎが有名な津市も3位に入っている。また、静岡市は、お茶どころとして緑茶が全国平均の2倍以上の支出金額を示しており、茶類全体でも全国1の消費量となっている。また、魚類では、まぐろ、しらす干しで静岡市が1位となっているのも静岡の食文化の特徴が表れている。
 今回の家計調査における食の関連分野(全254品目)において東海エリアの都市が1位となっている品目は、下表にある12を含めて20品目あった。市別では、静岡市が9、岐阜市が5、浜松市が3、名古屋市は3品目で1位となっている。

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