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INTERVIEW

お客さまからの信頼を礎に更に先の100年へ

2021.10.12

ーー 第12回中日新聞社広告大賞審査員特別賞受賞、おめでとうございます。創業100周年に掲載いただきました新聞広告の出稿に至るまでの経緯をお聞かせください。

安達 弊社にとって記念すべき周年の広告が名誉ある賞をいただいて感謝いたします。弊社は1920年の10月に創業し、2020年で創業100周年を迎えることができました。お客さまからのご愛顧はもちろんのこと、取引先さまからのご支援、弊社で働いてくれた先輩社員の皆さんの努力、さまざまな要素が重なって100周年を迎えられました。本来でしたら100周年がオリンピックイヤーと重なり、企画も練っていたのですが、記念パーティーなどのイベントも中止せざるをえなくなりました。実は90周年の際も中日新聞に15段広告を出稿し、その際には現在も継続している行動規範「マインドブック」を作り、“すべての「見る」に、こたえを。”というシンボルメッセージを発信させていただきました。その経緯もあって、他の行事やイベントはできなくなったとしても15段広告はぜひ実施したいと考えていました。広告の中でお客さまへの感謝の気持ちや、弊社の100年変わらない理念を伝えたいと思い、今回の出稿につながったということです。

中日新聞 2011年1月22日朝刊

ーー どんな表現、コピーライトでとさまざまな意見や検討があったと思います。少女がしっかりと前を見据えたビジュアルとコピー。印象的な広告を掲載いただきましたが、お客さま、社内外の反響はいかがでしたか。

安達 この“目が「悪い」なんて、思ってほしくない。”のコンセプトは、クリエイティブの方と話し合いながら練り上げていきました。始まりはクリエイティブ担当の女性の実体験です。彼女も小さいときから近視で、「目が悪い」という表現がちょっとショックだったと聞きました。近視や遠視でもメガネを作って解決できれば全く「悪い」ことではない。それは個性であり、更にはきちんと合って似合うメガネをかけていることで魅力にさえなります。それは私たちだから言えるメッセージだと「ビジョンケア」の思いとともに伝えたかったのです。この女性の経験はよくあることで、要するにきちんと情報が届けられていない。伝えていない私たちにも責任があると思うのですが、私たちの中では常識だと思っていることでも、消費者の方にはまだまだ知られていないことはたくさんあります。ですからこういった情報をきちんとお伝えすることも専門店の重要な仕事だと思っています。こういった新聞広告に読者の方からダイレクトに反応を聞くことはあまり無いのですが、今回の広告については作った人と直接話がしたいと言われ、私に電話がまわってきました。おそるおそる電話を取ると「この新聞広告なかなかいい」とお褒めの言葉をいただきました。男性の方で、50代〜60代くらいの感じでした。インターネットなどでも「私も小さいころ目が悪いと言われて悲しかった」とか「こういう広告を出してくれてありがとう」というコメントを目にしましたし、社内でも好印象が多かったです。

中日新聞2020年10月2日朝刊
少女のまっすぐな眼差し、目は「悪い」ではなく「個性」というコピーで第12回中日新聞社広告大賞審査員特別賞を受賞。

ーー クリエイティブを練って丁寧に作った広告が受け入れられて、評価されたということですね。?

そうですね。みなさんに共感していただいた、メッセージが届いたと思いました。

ーー 我々にとっても、読者の方が広告に反応してくださることは嬉しいことです。苦情はアクションに起こしやすいものですが、良い反応はなかなかアクションを起こしにくいので。

安達 エールを送られることはなかなか無いので、私も驚きました。

ーー 100周年は通過点だと思います。今後のブランド戦略はどのようにお考えですか?

安達 100年継続した私どものコアコンピタンスは何かを考えたとき、それは接客や技術で培った信頼だと思います。お客さまに共感していただき、ファンになっていただくことで企業の継続性、サスティナブルな会社になっていけたらという思いです。100年続いておりますが、それにあぐらをかかずに、これからも良いところは残しながら新しいものを取り入れることで進んでいきたいですし、「不易流行」の精神を忘れないことが大切です。弊社の社長も一日一日の積み重ねが大事だということと、その中で新しい情報、技術をお伝えしていけるように研鑽しなさいといつも言っています。それを実行していけたらと考えています。

視力測定中の初代森文喜氏(左)
キクチメガネ100周年資料より

ーー まさに100年は一日の積み重ねであると、あらためて重みを感じました。地域の新聞社へのご意見やご要望をお聞かせください。

安達 弊社のメインターゲットであるミドル・シニアの方にとって新聞は信頼のおけるメディアですし、広告内容への信頼度も高いと思います。さまざまな情報があふれ、インターネットなど流れては消えていく情報と違い、新聞は手元にあってじっくり読んでもらえるメディアです。他の方と共有できるメディアでもあります。もう一つの側面として、新聞広告を掲載するということはお客さまへはもちろんですが、弊社社員へのラブレターだと思っています。社員の家族やまわりの人たちにも誇れることです。先程「不易流行」と言いましたが、メディアとして信頼感をベースに新しいものをうまく融合させていただいたら、もっと広い世代に伝わっていくと思いますし、出稿する私たちのメッセージもより多くの方に伝わると思います。

ーー ありがとうございました。今後も地域のメディアとして頑張って参ります。

審査員特別賞の楯を手に持つ安達部長

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